マッチングアプリと結婚相談所は、よく「安いほう/高いほう」で並べられます。ただ、金額だけで並べると何が違うのかがかえって見えなくなると思っています。
ここでは、探し方の構造・費用のかかり方・契約の枠組みという3点で整理します。
この記事は情報の出どころを分けて書きます。 マッチングアプリについては、私自身が合計4年ほど(2年ずつ、2回。直近の使用は2024年ごろまで)使った体験に基づく主観です。 結婚相談所については、私は利用したことがありません。 そちらは各社・各団体の公表値と公的機関の資料だけで書き、出典と確認日を末尾に付けます。体験として語ることはしません。
違い1:誰が相手を探すのか
これが一番大きい違いだと思います。
アプリ側(体験)
私が使っていた範囲では、相手を探すのも、連絡を取るのも、続けるかどうかを決めるのも、全部自分でした。
これは自由でもあり、負荷でもありました。誰にも相談せずに動けるかわりに、うまくいかないときも自分ひとりで抱えることになります。
私が一番長く詰まっていたのは、会えるのに、続かないに書いたとおり「一度会ってそれきりになる」段階でした。理由が分からなかったわけではありません。 ただ、続くために必要だったこと(メッセージが弾む・会って会話が弾む・お互いの第一印象)は、どれも自分の側では動かせないものでした。だから私は、揃うかどうかを一件ずつ確かめる、という形で続けることしかできませんでした。
この「確かめる回数を自分で積む」という部分を、誰も代わってくれないのがアプリの構造だと思っています。
結婚相談所側(公開情報)
結婚相談所は、多くが「連盟」と呼ばれる会員ネットワークに加盟し、そのネットワーク内の会員とお見合いをするという構造になっています。つまり、会える相手の範囲を決めているのは、相談所の看板ではなく背後の連盟です。
公表されている規模の例としては、IBJ(日本結婚相談所連盟)が会員数約10万人(2024年12月末時点、日本マーケティングリサーチ機構調べ)、日本仲人連盟(NNR)が「紹介可能な登録会員数は75,000名以上」と公式サイトに記載しています。
この構造上、探す作業の一部が事業者側に移ります。 どこまで人が関与するかはサービス形態によって幅があり、そこ自体が比較の軸になります。この軸の整理は結婚相談所は何で比べるのかにまとめています。
なお、出会いの経路は当然これだけではありません。国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(2021年6月調査)では、SNSやマッチングアプリといったインターネットサービスを通じて知り合った夫婦が最近の結婚の13.6%を占めると報告されています。
違い2:お金のかかり方の「形」
金額の大小より、どういう形でかかるかのほうが判断に効くと思います。
アプリ側(体験)
私は有料プランを使っていました。ただ、当時払っていた金額をここに書くつもりはありません。 数年前の料金であり、現在の各社の料金として読まれると誤りになるからです。金額は各アプリの最新の公表値を見てください。各社の公表値を並べたものは婚活アプリは何で比べるのかに置いています。
体験として書けるのは、「月ごとに払い続けるかを決める」形だったということです。私は毎月、続けるかどうかを考えていました。何も起きていない月に更新料を払うのは気持ちの悪いもので、金額そのものよりも、判断を毎月迫られることのほうが負荷でした。
結婚相談所側(公開情報)
結婚相談所の費用は、性質の違う複数の項目の合計になります。おおむね次の形です。
総額 = 初期費用 +(月会費 × 活動した月数)+(お見合い料 × 回数)+ 成婚料
各社が公表している金額(すべて税込、2026年8月30日確認)を一部だけ挙げると、次のようになっています。
| ツヴァイ(IBJプラン) | サンマリエ(ベーシックサポート) | エン婚活エージェント | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 129,800円 | 33,000円+132,000円=165,000円 | 33,000円(登録料) |
| 月会費 | 18,700円 | 18,700円 | 16,500円 |
| 成婚料 | 220,000円(IBJ会員との成婚の場合) | 220,000円 | 0円 |
形として違うのは、入口でまとまった額がかかることと、成婚料という出口側の費用がある設計が存在することです。月額だけを見て比べると、この2つが抜け落ちます。項目ごとの内訳と、活動月数で総額がどう動くかは結婚相談所の費用は何にかかるのかに分解しました。
違い3:契約の枠組み
ここは体験の入り込む余地がないので、公開情報だけで書きます。
結婚相手紹介サービスは、期間が2か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約であれば、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当します(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。該当する場合、同ガイドによれば次のように定められています。
- クーリング・オフ:法定書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録により契約を解除できる
- 中途解約時の損害賠償額の上限:役務提供開始前は3万円、開始後は「すでに提供された役務の対価相当額」+「2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額」
つまり、やめるときの扱いが法律の側からも枠づけられているということです。多くの相談所の契約はこの枠内にあります。
一方、マッチングアプリの課金は、金額・期間の条件も、解約や返金の扱いも、各アプリの利用規約と、契約したプラットフォーム(アプリストア経由か、ウェブ経由か)によって変わります。 ここは一般化して書けるだけの根拠を私が持っていないため、利用規約と解約条件を各自で確認する対象、という書き方に留めます。
どちらが向くか、という問いの立て方
「どちらがいいか」は条件と相性の問題なので、ひとつの正解はないと思います。ただ、問いの立て方は変えられると思っています。
金額で比べる前に、自分が詰まっているのはどこかを先に見たほうが、判断がぶれにくいはずです。
- まだ会うところまで行っていないなら、詰まりは母集団や動かす量の側にある可能性があります
- 会えているのに続かないなら、母集団を入れ替えても同じ場所で止まるかもしれません。私の場合は、アプリを変えてもこの詰まり方は変わりませんでした
- 自分ひとりで判断し続けること自体が負荷になっているなら、人が間に入る形を検討する理由になり得ます
私は結婚相談所を使っていないので、そちらが解決になるとは書けません。 書けるのは、アプリ側で私が実際にどこで詰まり、それがアプリを変えても動かなかった、というところまでです。その事実をどう使うかは、読む方の状況によると思います。
相談所側を具体的に見ていく場合は、費用の内訳(結婚相談所の費用は何にかかるのか)と比較軸(結婚相談所は何で比べるのか)を先に見ておくと、話を聞く段階で比べる基準ができると思います。
まとめ
| マッチングアプリ(体験) | 結婚相談所(公開情報) | |
|---|---|---|
| 探す主体 | すべて自分。相談相手がいない | 連盟のネットワークが母集団。関与の度合いはサービス形態による |
| 費用の形 | 月ごとに払い続けるかを判断する | 初期費用+月会費+(お見合い料)+(成婚料)の合算 |
| やめるときの扱い | 各アプリの利用規約・契約経路による | 要件を満たせば特定継続的役務提供に該当し、法定の枠組みがある |
この記事のうち、マッチングアプリに関する記述は運営者個人の体験と主観です(2024年ごろまでの使用に基づきます)。結婚相談所に関する記述は公開情報のみで、運営者に利用経験はありません。 料金・会員数はいずれも改定・更新されます。実際の判断は各社の最新の公表値と契約書面でご確認ください。
出典
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)結果の概要」 https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp (2026-08-30 確認)
- IBJ(日本結婚相談所連盟)公式サイト https://www.ibjapan.jp/ (2026-08-30 確認)
- 日本仲人連盟(NNR)公式サイト https://www.nakodo.net/ (2026-08-30 確認)
- ツヴァイ「料金プラン」 https://www.zwei.com/price/ (2026-08-30 確認)
- サンマリエ「料金・コース」 https://www.sunmarie.co.jp/price/ (2026-08-30 確認)
- エン婚活エージェント「料金プラン」 https://en-konkatsu.com/price/ (2026-08-30 確認)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド ― 特定継続的役務提供」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/ (2026-08-30 確認)
