マッチングアプリの話で一番よく出てくるのは、たぶん「マッチしない」「メッセージが続かない」のあたりだと思います。私も最初はそこで止まっていました。
ただ、私が一番長く詰まっていたのは、そこを抜けた先でした。 メッセージは盛り上がる。会う約束もできる。実際に会う。そこで終わる。これが何度も続きました。
そして、この記事で一番書いておきたいのはここです。私の場合、終わった理由が分からなかったわけではありません。 だいたい分かっていました。むしろ、会っている最中に「これは続かないな」と感じていたことのほうが多かったと思います。
分かっているのに終わる、というのはどういうことなのか。続くときに何が揃っていて、終わるときに何が欠けていたのか。 そこを書きます。抜け方の手順書ではありません。 私はここを技術で解いた実感がないので、書けるのは「こういう構造で詰まっていた」というところまでです。
ここに書くのは、私がマッチングアプリを使っていた期間(2年ずつ、2回。合計4年ほど)の体験です。直近の使用は2024年ごろまでで、それ以降は使っていません。アプリの仕様も利用者層も変わっていくため、これは「2024年ごろまでに使っていた範囲では、私にはこう見えていた」という記録です。有料プランを使っていた前提の話でもあります。
「会う前」と「会った後」は、別の詰まり方をする
同じ「うまくいかない」でも、会う前の詰まりと会った後の詰まりは、手ざわりがまったく違いました。
会う前は、まだ相手が抽象的です。返信が来ない、既読で止まる、予定が合わない。しんどいことはしんどいのですが、「相手のことをまだ知らない」ぶん、終わってもどこか他人事にできるところがありました。
会った後は、そうはいきませんでした。声も、話し方も、その日どんな話で笑ったかも分かっている。分かった状態で、連絡が細くなって、途切れる。知っている人が他人に戻っていくのを見ることになるので、同じ「一件終わった」でも消耗の質が違いました。
しかもこの段階は、外から見ると順調に見えます。 マッチしている、会えている。数字の上では進んでいるので、周りにも自分にも「うまくいっていない」と説明しづらい。私はここが一番、言葉にしづらい時期だったと思っています。
続いたときは、3つが揃っていた
4年ほど使って、あとから振り返ってみると、続いた回には共通点がありました。
- メッセージのやり取りが弾んでいた
- 会ったときに、会話が弾んだ
- お互いの第一印象が良かった
この3つが揃っていた回は続き、どれか1つでも欠けた回は終わりました。 私が観測した範囲では、例外を思い出せません。
ここで大事なのは、これが「揃えれば続く」という話ではないということです。私はこの3つを条件として意識してから動いていたわけではなく、うまくいった回を後から並べたら共通していた、というだけです。再現の方法として書けるものではありません。
そして、この3つを見て最初に思うのは、たぶんこうだと思います。
1つも自分の側だけでは決められない。
メッセージが弾むかは相手の書き方にもよります。会話が弾むかは、会ってみないと分かりません。第一印象にいたっては、お互いに、というところが厄介です。こちらが良いと思っても、相手がそうとは限らない。逆もあります。
つまり**「3つ揃う確率が低い」というのが、私が詰まっていたことの正体**でした。何かが下手だったから続かなかったのではなく、そもそも3つが同時に揃う回が、思っていたよりずっと少なかった。この見方に変わってから、初回で終わることの受け止め方は少し変わりました。
「メッセージが弾む」と「会って弾む」は、別の条件だった
3条件のうち1と2は、続いているように見えて別物でした。私の場合、メッセージの段階まではだいたいうまくいっていました。 やり取りが弾んで、そのまま「じゃあ会いましょう」になる。ここまでは、感触として悪くない。
問題は、その盛り上がりが会った日にそのまま乗ってこなかったことです。
文字のやり取りは、こちらが書きたいときに書けて、考えてから送れます。相手の返信も、こちらのタイミングで読める。間を自分で調整できるわけです。会って話すときは、その調整がききません。沈黙も、話題の切れ目も、そのまま出ます。
だから、メッセージで盛り上がったぶんだけ会った日との落差が出やすい。私はそう感じていました。「メッセージのときのほうが話しやすかった」と自分で思ってしまう日が、実際にありました。
これを相手のせいにも自分のせいにもできないのが厄介なところで、どちらも悪くないのに、続かないという終わり方が一番多かったと思います。
終わり方は、両側にあった
「会って、それきり」と一言で言っていますが、中身は2種類ありました。 ここを分けずに書くと実態とずれるので、正直に書きます。
私のほうから止めた場合
顔がタイプではなかった、というのが一つです。
これは書くかどうか迷いましたが、書かないほうが不誠実だと思ったので書きます。写真で見ていたときと、実際に会ったときで、印象が変わることがありました。そこで気持ちが動かなければ、私は次に進みませんでした。これは相手の側の欠点ではなく、私の側の話です。 そして、同じことを相手からもされているはずだと思っています。3条件の3つ目を「お互いの第一印象」と書いたのは、そういう意味です。
もう一つは、こちらから話題をふらないと話さない、という場合です。
これも相手を責める話にはしたくありません。緊張していただけかもしれませんし、私が相手にとってそういう相手だっただけかもしれない。ただ、その日ずっと自分が場を回している状態になると、次も同じことをするのだろうか、と考えてしまいました。これは3条件の2つ目、会話が弾むかどうかに当たります。
相手のほうから来なくなった場合
会った後に連絡がぶつりと切れる、という終わり方です。理由は告げられません。
ただ、これも当時から不思議には思っていませんでした。向こうも何人かと並行して会っていることが多いからです。これはアプリの構造上、当たり前に起きます。同時に複数の人とやり取りできて、同時に複数の人と会える仕組みなのだから、そのうちの一人が自分であるというだけの話です。
責める気にはなりませんでした。私も、同じ仕組みの上で同じように動いていたからです。
会っている最中に、だいたい分かる
そしてこれが、この段階でいちばん独特なところだと思うのですが。
会っている時に「これは続かない」と感じます。 解散してから考えて分かるのではなく、その場で分かる。
分かったからといって、途中で切り上げるわけではありません。残りの時間も普通に話して、普通に解散します。答えが出ているのに終わるまで座っている、というのが、この段階のいちばん妙な感触でした。
つまり私にとって「会った後で続かない」は、あとから理由を探す問題ではなく、その場で分かっていたことの結果でした。あとで連絡が来ないことは、確認にすぎませんでした。
一つのアプリの中で、見る人がいなくなっていく
もう一つ、この時期に感じていたことがあります。
同じアプリを使い続けていると、だんだん新しい相手が出てこなくなる感覚がありました。 表示される人を一通り見終わってしまう、という感じです。仕組みとしてどうなっているのかは各社が公開していないので分かりませんが、私の体感としては確かにありました。
そこで私は、3か月くらいで別のアプリに乗り換えるという回し方をしていました。ペアーズを3か月、withを3か月、マリッシュを3か月、というふうに順に移っていく形です。1周がだいたい9か月なので、2年のあいだに何周かしていた計算になります。
これは「3か月で乗り換えるといい」という話ではありません。私がそうしていた、というだけです。ただ、この回し方をしていたおかげで、アプリごとの違いをそれなりに比べられる立場にはいました。
その上で言えることは、正直あまり多くありません。私が使っていた範囲では、アプリによる差はそこまで感じませんでした。 強いて挙げれば、年齢層の印象がマリッシュ、ペアーズ、with の順に高いように感じた、という程度です。これは私の体感であって、各社が公表している数字ではありません。実際の会員層は各社の公表値を見てください。各社の公表値を実際に並べてみた結果は、婚活アプリは何で比べるのかにまとめています。
そして今の話とつながるのですが、アプリを変えても、「会った後で続かない」だけは同じように起きました。 母集団が入れ替わっても、詰まる場所は動かなかったということです。
私が「アプリ選びで解決する話ではないな」と思うようになったのは、ここからです。
「原因が分からないから直せない」ではなかった
この段階の話は、たいてい「なぜ振られたか分からない」という形で語られます。私も最初はそう思っていました。初回で終わるたびに、プロフィールとメッセージのほうを疑っていました。
でも、今こうして並べてみると、分からなかったわけではありません。 タイプかどうか。会話が続くかどうか。相手が並行して動いているかどうか。どれも、その場で見えていたことです。
問題は分からないことではなく、分かっていても、自分の側で動かせる部分がほとんどなかったことのほうでした。
- 相手の第一印象は、こちらの努力で変えられません
- 自分の側の第一印象も、「タイプだと思うことにする」ということは私にはできませんでした
- 会話が弾むかは、相手との組み合わせの問題です
- 相手が他に何人と会っているかは、こちらの領分ではありません
だから、「初回デートは1時間で切り上げる」「その場で次の約束を取る」といった手順を読んでも、私には効く気がしませんでした。 そこは、私が詰まっていた場所ではなかったからです。実際、テクニックを変えて抜けた実感が私にはありません。 何かを変えた月と変えなかった月で結果が分かれた覚えもないので、ここで手順は書けません。書いたら、自分がやっていないことを書くことになります。
代わりに書けるのは、この段階は「進んでいないから起きている」のではないということです。会うところまで行っている以上、前の段階はすでに通過しています。それでも続かないのは、通過した先に、確率の低い関門がもう一つあるというだけの話で、前の段階に戻ってプロフィールを疑う必要はなかったな、と今は思っています。
それで、私はどうしたのか
正直に書くと、特別なことは何もしていません。
やっていたのは、3か月ごとにアプリを移りながら、マッチを増やして、会って、終わって、また次に行く、という繰り返しだけです。マッチの数は、こちらから動いた分しか増えませんでした。数をこなすしかない、というのが当時の実感で、今振り返ってもそれ以上のことは言えません。
ただ、なぜそうなるのかは、今のほうが言葉にしやすくなりました。 3つの条件が揃うかどうかが、こちらの努力ではほとんど動かせないのなら、残っているのは「揃うかどうかを確かめる回数」だけです。私が数に頼っていたのは、根性の話ではなく、そこしか触れる場所がなかったからだと思います。
結果として2周とも交際に至って終わっているのですが、それは「この方法が正しかった」ということではないと思っています。 私の場合は、続けたこと以外に効いた実感がない、というだけです。同じことをして同じようになるとは限りませんし、私がやめていたら分からなかったことも、たぶんたくさんあります。
続ければうまくいく、という話ではありません。 続けるか、離れるか、いつそうするかを決められるのは本人だけだと思っています。
続けるということ自体をどう扱っていたかは、アプリ婚活を続けるということのほうに分けて書きました。この記事だけ読むと精神論に見えてしまうと思うので、そちらも合わせて読んでもらえるとちょうどいいと思います。
また、会える相手を自分で探し続けるという構造そのものが合わないという判断もあり得ます。人が間に入る形の婚活とは何がどう違うのかは、アプリと結婚相談所は何が違うのかに整理しました。
まとめ
- 私が一番長く詰まっていたのは「マッチしない」ではなく、一度会って、そこで終わる段階でした
- 私の場合、続いた回は①メッセージが弾む ②会って会話が弾む ③お互いの第一印象が良いの3つが揃っていて、1つ欠けると終わりました(観測であって、揃えれば続くという方法ではありません)
- メッセージは自分で間を調整できるぶん盛り上がりやすく、①と②は別の条件でした
- 終わり方は両側にありました。私から止めた場合(タイプでなかった/こちらが話題をふらないと話が続かない)と、相手から連絡が切れた場合(並行して会うのが普通に起きる仕組み)です
- 理由が分からなかったのではありません。 会っている最中にだいたい分かっていました。分かっていても自分の側で動かせる部分がほとんどなかった、というのが実際でした
- アプリを3か月ごとに乗り換えていましたが、アプリを変えてもこの詰まり方は同じように起きました
- 私はテクニックで抜けた実感がないので、抜け方は書けません。書けるのは、ここで詰まるのは前の段階の失敗ではなく、確率の低い関門にいるだけというところまでです
この記事は運営者個人の体験と、当時の主観をそのまま書いたものです。2024年ごろまでの使用に基づいており、現在のアプリの仕様・利用者層とは異なる可能性があります。他の方に同じことが当てはまるとは限りません。
