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結婚相談所は何で比べるのか(連盟・会員数・サポート形式・料金体系)

結婚相談所/2026/08/30

結婚相談所を調べていると、「おすすめ10選」のような記事が大量に出てきます。ただ、そこに並んでいる順位が何を基準にしているのかは、たいてい書かれていません。

この記事ではおすすめは書きません。 代わりに、何で比べるべきなのかという軸のほうを整理します。軸が決まっていれば、自分で公式サイトを見て並べ替えられるようになります。

この記事は公開情報だけで書いています。運営者に結婚相談所を利用した経験はありません。数値はすべて各社・各団体および公的機関の公表値で、確認日は2026年8月30日です。

前提:出会いの経路は一つではない

国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(2021年6月調査)では、SNSやマッチングアプリといったインターネットサービスを利用して知り合った夫婦が、最近の結婚の13.6%を占めると報告されています。

結婚相談所はこのうちの一つの経路にすぎません。相談所どうしを比べる前に、そもそも相談所という手段が自分に合っているかを考える余地がある、という前提は置いておいたほうがよいと思います。

軸1:連盟(背後の会員ネットワーク)

これが最も見落とされやすい軸だと思います。

多くの結婚相談所は、単独で会員を抱えているのではなく、連盟(会員相互紹介のネットワーク)に加盟し、そのネットワーク内の会員とお見合いができるという構造になっています。つまり、会える相手の範囲を決めているのは、相談所の看板ではなく、その背後にある連盟です。

公表されている規模の例を挙げます。

  • IBJ(日本結婚相談所連盟):会員数 約10万人(2024年12月末時点、日本マーケティングリサーチ機構調べ)。新規入会者は2025年1〜6月のネットワーク新規登録数から算出して1日あたり約200人と公表しています
  • 日本仲人連盟(NNR):公式サイトに「紹介可能な登録会員数は75,000名以上」と記載
  • コネクトシップ:タメニー株式会社が運営する事業者間の会員相互紹介プラットフォームで、複数の婚活事業者が参加しています(エン婚活エージェントは自社が加盟していることを公表)

同じ連盟に加盟していれば、会える相手の母集団はかなりの部分が重なります。 逆に言えば、連盟が違えば、料金が近くても会える人はまったく別ということが起こります。

比較の実務としては、候補の相談所がどの連盟に加盟しているかを最初に確認し、同じ連盟の中でだけ料金とサポートを比べるという順序が、無駄が少ないと思います。

軸2:会員数(何を数えた数字か)

「会員数◯万人」という表示は、数え方が統一されていません。

  • 自社に直接登録している会員数なのか
  • 連盟経由で紹介可能な人数の合計なのか
  • 男女合わせた数か、自分の対象となる性別だけの数か
  • いつ時点の数字か

たとえば日本仲人連盟の「75,000名以上」は、公式サイトの文言が「紹介可能な登録会員数」となっており、その連盟に直接登録している会員だけの数ではないことが読み取れます。IBJの「約10万人」も基準日が2024年12月末と明記されています。

数字を見たら、まず注記と基準日を読む。 これは会員数に限らず、この後の成婚率にも同じことが言えます。

なお、連盟の会員数と「実際に自分に紹介される人数」は別です。年齢・居住地・希望条件で絞られるため、母集団の大きさがそのまま出会いの数になるわけではありません。

軸3:サポート形式(仲人型とオンライン型)

大きく分けると、担当者が対面で伴走する形式と、オンラインで完結する形式があります。この違いは、料金体系にほぼそのまま現れます。

  • エン婚活エージェントは自社サービスを「オンライン完結型」と表示し、登録料33,000円・月会費16,500円(いずれも税込)で、お見合い料・成婚料を0円と公表しています
  • サンマリエは担当者による定期面談やプロポーズのサポートをコース内容として掲げ、ベーシックサポートで入会金33,000円+初期活動費132,000円、月会費18,700円、成婚料220,000円(いずれも税込)と公表しています

12か月活動して成婚退会した場合を公表値から単純計算すると、前者は231,000円、後者は609,400円です(各社が公表しているシミュレーションではなく、公表値の合計です)。

この差は「サービスの良し悪し」ではなく、人の手がどれだけ入る設計かの差として理解したほうが、比較としては正確だと思います。オンライン型は費用を抑えられる一方で、自分で動く量が増えます。仲人型は担当者が動く分だけ費用が上がります。どちらが向くかは、自分で日程調整や相手選びをどこまでやれるかによって変わります。

なお、ツヴァイのように同じ会社の中で複数のプランを持ち、サポート量と料金モデルを選べる形もあります(IBJプランと紹介プラン)。会社単位ではなくプラン単位で比べる必要がある、ということです。

費用の項目ごとの詳しい内訳は、結婚相談所の費用は何にかかるのかにまとめています。

軸4:料金体系(成婚料の有無と、期間への強さ)

料金は総額だけでなく、どういう形で発生するかが比較の対象になります。

総額 = 初期費用 +(月会費 × 活動月数)+(お見合い料 × 回数)+ 成婚料

掛け算になっているのは月会費とお見合い料です。したがって、

  • 活動が短く終わる想定なら、初期費用と成婚料の重さが効きます
  • 活動が長引く想定なら、月会費の差が効きます

成婚料0円のモデル(エン婚活エージェント、ツヴァイの紹介プラン)と、成婚料220,000円のモデル(サンマリエ、ツヴァイのIBJプラン)では、損益の分かれ目が活動期間によって動きます。どちらが安いかは、入会前には確定しません。

また、成婚料は条件付きのことがあります。ツヴァイのIBJプランは、成婚料220,000円が「IBJ会員のお相手とのご成婚の場合のみ」と明記されており、ツヴァイ会員同士の成婚では発生しないとされています。料金表の脚注まで読まないと、比較の前提が崩れます。

軸5:公表された数字の読み方(成婚率)

「成婚率◯%」は各社が出していますが、分母の定義が会社ごとに違うため、そのまま横に並べて比べることはできません。

たとえばサンマリエは「1年以内の成婚率 86.3%」と表示していますが、注記に「2023年1月〜2024年12月の成婚退会者実績」とあります。つまりこれは、成婚退会した人のうち1年以内だった人の割合を示す数字であり、入会した人のうち何%が成婚したかを示す数字ではありません。

これは表示が不適切という話ではなく、注記に定義が書いてあるのだから、注記まで読むのが読み手側の作業という話です。成婚率を比較材料に使うなら、次を確認することになります。

  • 分母は「入会者」か「退会者」か「成婚退会者」か
  • 「成婚」の定義は何か(婚約か、交際成立か)
  • 集計期間はいつか

定義が公表されていない成婚率は、比較には使えないと考えたほうが安全だと思います。

軸6:契約条件(止まるとき・やめるときの扱い)

最後に、うまくいかなかった場合の条件です。ここは各社の宣伝には出てきませんが、法令で枠が決まっているぶん、確認しやすい部分でもあります。

結婚相手紹介サービスは、期間が2か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約であれば、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当します。消費者庁「特定商取引法ガイド」によると、この場合は次のように定められています。

  • クーリング・オフ:法定書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録により解除できる
  • 中途解約時の損害賠償額の上限:役務提供開始前は3万円、開始後は「すでに提供された役務の対価相当額」+「2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額」

加えて、休会制度の有無と休会中の月額も比較対象になります。ツヴァイは活動休止期間中の月会費を1,650円(税込)、エン婚活エージェントは休会期間中の月会費を7,150円(税込)と公表しています。仕事や体調で数か月止まる可能性を考えるなら、ここは総額に効きます。

比較シートに書く項目

以上をまとめると、公式サイトを見るだけで埋められる比較項目は次のようになります。

項目 確認するところ
加盟連盟 会社概要・サービス紹介ページ
会員数 数字そのものより注記と基準日
サポート形式 担当者の関与範囲、面談の有無、オンライン完結か
初期費用 入会金・登録料・初期活動費の合計
月会費 活動月数を掛けて総額に換算する
お見合い料 0円か、1回いくらか
成婚料 金額と、発生条件(脚注)
休会 制度の有無と休会中の月額
中途解約 契約書面での扱い
成婚率 分母の定義・集計期間が書かれているか

この表が埋まらない項目がある相談所は、「悪い」のではなく「まだ比較できていない」だけです。無料カウンセリングは、この空欄を埋める場として使うこともできます。

どこを選ぶかは条件と相性の問題で、ひとつの正解があるものではないと思います。ただ、何で比べるかを先に決めておくと、話を聞いた後で判断できるようになるという点では、この作業に意味があると考えています。

出典

料金・会員数・成婚率はいずれも改定・更新されます。実際の判断は各社の最新の公表値と契約書面でご確認ください。

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