結婚相談所の費用を調べるとき、多くの人は「入るのにいくらかかるか」を見ます。ただ、実際に迷いを生むのはそこではなく、続かなかったときにどうなるかのほうだと思います。
結論から書くと、結婚相手紹介サービスは特定商取引法の対象で、途中でやめることも、そのときに事業者が請求できる金額の上限も、法律で決まっています。ここでは消費者庁が公開している内容だけを使って確認します。
この記事は公開情報だけで書いています。運営者に結婚相談所を利用した経験はありません。内容は2026年9月6日に消費者庁「特定商取引法ガイド」で確認したものです。法律の一般的な説明であって、個別の契約についての助言ではありません。 実際の契約は事業者ごとに条件が異なります。困ったときは契約書面と、消費者ホットライン(188)や最寄りの消費生活センターに相談してください。
まず、対象になる契約かどうか
特定商取引法には「特定継続的役務提供」という区分があり、結婚相手紹介サービスはその7つの対象役務の一つです。
ただし、すべての契約が対象になるわけではありません。次の両方を満たすものが対象です。
| 条件 | 結婚相手紹介サービスの場合 |
|---|---|
| 期間 | 2月を超えるもの |
| 金額 | 5万円を超えるもの |
つまり、2か月以内で終わる契約や、総額5万円以下の契約は、この章の保護の対象外です。ここは自分の契約書を見て確かめる価値があります。
参考までに、他の6役務も同じ枠組みで指定されています。
| 役務 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| エステティック | 1月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 美容医療 | 1月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 語学教室 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 家庭教師 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 学習塾 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| パソコン教室 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 結婚相手紹介サービス | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
契約前と契約後に、書面が渡される
事業者には書面を渡す義務があります。
- 契約を結ぶ前に、その契約の概要を記載した書面
- 契約を結んだ後に、契約内容を明らかにした書面
この2つは、後で効いてきます。 クーリング・オフの起算点になるのがこの書面だからです。
1. クーリング・オフ(8日間)
法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、クーリング・オフができます。
起算点が「契約した日」ではなく**「書面を受け取った日」**である点に注意してください。書面が渡されていない、あるいは記載に不備がある場合、この8日はまだ始まっていないという扱いになりえます。
2. 中途解約(8日を過ぎたあと)
8日を過ぎても、契約は終わらせられます。消費者庁の説明はこうです。
消費者(役務の提供を受ける者)は特定継続的役務提供契約を、クーリング・オフ期間経過後も、その契約期間中であれば、いつでも、理由の如何を問わず中途解約することができます
**「理由の如何を問わず」**と明記されています。やめる理由を説明する義務はない、ということです。
3. そのとき請求できる金額には、上限がある
ここがこの記事の本題です。中途解約したときに事業者が請求できる額には、役務ごとに上限が決まっています。
結婚相手紹介サービスの場合、こうなります。
役務の提供が始まる前にやめる場合
結婚紹介サービス/3万円
役務の提供が始まった後にやめる場合
すでに提供された分の対価に加えて、次のいずれか低いほうが上限です。
結婚紹介サービス 2万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
「いずれか低い額」なので、契約残額が10万円なら20%は2万円で同額、契約残額が30万円でも20%は6万円ではなく2万円が上限になります。残額が大きいほど、2万円のほうが効いてくる形です。
この上限を超える違約金の定めは、その超える部分について効力を持ちません。 契約書に高額の解約金が書かれていても、法律の上限が優先されます。
費用を見るときに、ここも一緒に見る
費用の内訳の記事では入会金・月会費・お見合い料・成婚料を分解しましたが、「やめるときいくらか」も同じ費用の一部です。
契約前に確認しておく価値があるのは、次の3つだと思います。
- 契約期間と総額(2月超・5万円超なら、この記事の枠組みに入ります)
- 概要書面をもらったか、そこに解約の条件が書かれているか
- 休会という選択肢があるか、あるなら費用はいくらか
3つ目は法律の話ではなく、各社が任意で設けている制度です。やめる/続けるの二択しかないと思っていると、休会という中間があることに気づきません。 条件は会社ごとに違うので、公式サイトか書面で確認してください。
困ったときの相談先
契約でもめたとき、事業者と直接やり取りする前に相談できる窓口があります。
- 消費者ホットライン 188(局番なし。最寄りの消費生活センター等につながります)
この記事は法律の一般的な説明です。 個別の事情に対する判断は、契約書面を持って上記のような窓口に相談してください。
あわせて読む
- 結婚相談所の費用は何にかかるのか — 入会金・月会費・お見合い料・成婚料の内訳
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出典
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供Q&A」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/continuousservices.html
2026年9月6日に確認しました。引用箇所は同ガイドの記載です。
